SAKURA

「おぉーっ! きっれぇー!!」
 素っ頓狂な声に、思わず笑った。
「かおる! 見て見て!! すっごいキレーだよ!!」
 双子の弟…みちるの言葉に「あぁ」と双子の姉…かおるは頷く。
「…綺麗だな」

 空を埋め尽くすほどの桜を見上げた。
 隙間から見える空は、淡い色。
 淡く…ぼんやりとした。

 空に手をのばし、みちるが花に触れた瞬間、ひらひらと舞い落ちる。
 掌の花びらをかおるへと手渡した。
 そのまま、手を引いて歩きだす。

「あーなんかちょっとお腹すいた」
「…花より団子、か?」
 僅かに笑うかおるにみちるは「腹が減っては戦はできないからねっ」と腕を振り上げた。

砂倉居学園モドル