「あ、」
窓の外を眺め、擢真は声を上げた。
「あ?」
声につられ、響もまた視線を窓の外へと向ける。
「雪じゃねぇ? アレ」
擢真は指先で示す。
しばらく眺めていた響だったが「…お…」と瞬いた。
「確かに、ソレっぽい」
「な?」
「積もるかなぁ」
いつの間に仲間入りして、輝もまた窓の外を眺める。
「どうかしら。…この辺って、滅多に積もらないじゃない」
やや興奮気味にも見える輝に、日奈は冷静なまま突っ込む。
「積もってもビシャビシャだしな」
日奈に便乗するように言って、響が笑った。
「夢がなーいっ!」
響と日奈…二人の友人に輝はべしべしとそれぞれの肩を叩く。
「キレイね」
少しの間を置いて、日奈が呟く。
「…見るだけなら」
やはり冷静なまま続いた言葉に、擢真と響が苦笑し、輝は「どうせなら積もればイイのに」と呟いた。