[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
――彼女以上など、いない。
「リーシャ」
呼びかけに振り返るのは深い森の緑と…若草色の瞳の少女。
若葉よりも淡い色の瞳。
真っ直ぐに、自分を見つめる――瞳。
「なんだ、アゴル」
――忌み色と呼ばれる色の自分を――真っ直ぐに見返す、瞳。
彼女以上などいない。
彼女以外などいらない。
――リーシャだけいてくれれば――それで。
…それだけで。
「…なんでも、ないよ」
呼んでみただけ、と。
アゴルはリーシャを腕に閉じ込めた。