傍にいられる。 …それだけで。
「…? どうした、ループル」 「…いいえ」 ループルの視線を感じたらしいスールの問い掛けに、ループルは首を横に振った。
若葉から零れ落ちる光に、スールの深い藍色の瞳もまた、揺れる。
傍にいられる。 …隣にいることを許される。
それだけで、ループルは。 (――幸せです)
あとはただ、願う。 …祈る。
二度と、離れることがないように、と。