「はい、ふえ」 「…?」 差し出されたモノに、風笑美はしばらく瞬いた。 「…紅葉(もみじ)?」 切り返しに「ソ」と芙水恵は胸を張る。 「すごい、見本みたいにキレイだったから」 「――虫食い」 淡々とした切り返しに芙水恵は「ウソ?!」と慌てた。
「ウソ」
慌てた芙水恵を尻目に、風笑美は受け取った紅葉を眺める。 枝を持ってくるくると回してみた。 「…意地悪〜っ!!」 少しばかり食ってかかるような芙水恵に、風笑美は口の端だけ持ち上げて、笑った。