落ち葉を踏みしめて、歩く。
カサカサと軽い音。
感覚が楽しくて――若干、調子に乗ってしまったらしい。
するっ、と視界が変わる。
「ぅわ…っ!!」
「輝!」
落ち葉で足を滑らせたところを、幼馴染みである響に支えられた。
「ドジ」
「…ゴメンヨ」
言い返せるようなネタはなく、輝は謝る。
「なぁに謝ってんだよ」
響は少しばかり苦笑を見せた。
「アリガト」
「どーいたしまして」
輝を支えた響の手が離れない。
――離せない。
「…行くか」
「ん…」
そのまま手をつないで紅葉の下を歩いた。