UTAGE

「うまっ」
「…太るよ」
 お菓子をおいしそうに食べる芙水恵に風笑美は淡々と突っ込む。
「う゛…いいもん、明日の朝食べないから!!」
 夜のオヤツ。
 夜食ではなく、オヤツだ。
「オトナが宴会するんだもん、あたしたちだって宴会しよーよ」
「…ソレで、夜にオヤツ…ねぇ」
 酒を飲もう、と言い出さない辺りでまだカワイイってものか。
 風笑美は用意したお茶を口に含む。
「…で、」
「――で?」
 風笑美の言葉を芙水恵は繰り返す。
 風笑美は一つ息を吐き出して、続けた。
「本当は? …なんか、相談したいことでも?」
「………」
 芙水恵は幼馴染みである存在をじっと見た。
 ――なんでわかるのか、と思いつつ。

「…あのね…」
 口を開いた芙水恵の言葉に、風笑美は耳を傾けた。

夜の話モドル