「アルスタイン!」
言いながらアリアはアルスタインに抱きついた。
「……おい」
そんな少女の様子にユーラが低い声を上げるが、
アリアは全く気にしない。
「土産」
ユーラに応じないまま、アルスタインにズイ、と手を差し出す。
「…雪、…」
「ダルマ!」
アルスタインの言葉を引き継ぐようにアリアは告げる。
「…融けるぞ」
冷静なままのユーラのツッコミに一度むっとしたような視線を向けたが、アルスタインに視線を戻した時にはそんな様子はチラリとも見せずに、アリアは続ける。
「土産。窓の外にでも飾ってな」
「…ありがとう」
アリアの言葉に、アルスタインはふわりと笑う。
アルスタインの笑顔にアリア…そしてユーラもまた、笑顔を見せる。
彼女の笑顔は、二人の望むものだから。