舞い降る白を、ただ眺める。 温もりのない体に、寒さや冷たさは感じない。
ただ、降る。 …雪は変わらずに…時を経ても、変わらずに。
ゆるゆると瞬き、そのまま…閉じる。
「刀流(とーる)」 呼びかけに、刀流は目を開いた。 「………」
瞳に映る、一人。 唯一人の、少女。
「 『 刀流 』 」
記憶と、今と――声が、重なる。 目を開いた刀流に、呼び掛けた少女は笑みを見せた。