――雪が降る。
ぼんやり見つめる。
…その後ろ姿を、見つめる。
(――スール)
…声がかけられない。
ナニを見ているのか。
…雪、というだけではなく…
「………」
…一体…何を…
(…誰を、思って)
その背に…声を掛けることが躊躇われる。
出逢い、別れ――
再び、巡り逢い――
その、出逢うまでの時間。
…巡り逢うまでの、時間
誰を想い、何を想い…
(…今、)
誰を、思い…何を想って、いるのか――。
隣に…傍にいても。
(…踏み込めない、だろうか)
舞い降る雪を眺め、微動だにしないスールの背に、僅かに胸が軋んだ。