「ツララだ!」
リクは軒下に伸びたツララを示した。
「見事ですね」
ナカナカ大きな氷柱にコウもまた頷く。
朝の冷え込みが弱まり、氷柱の先端からポタリと雫が落ちた。
日の光が透ける氷柱と、水滴と。
それぞれがキラキラと輝き、それを眺めるリクの瞳もまた輝く。
「キレーだなっ!」
宝石がすきなコウへ、同意を求めるように視線を向けた。
コウはふわりと、笑みを浮かべる。
「…はい、綺麗ですね」
――リクの示す氷柱の美しさに頷き、リクの輝く瞳を美しいと思いながらコウは笑みを深めた。