陽射しを受け取るように、克己は大きく息を吸い込んだ。
「暖かいなー!」
ついでに、背伸びする。
「なんか…春って感じだな!」
ワクワクする、というような克己の隣で、眞清はゆるりと瞬いた。
「春、ですねぇ」
「…眞清はワクワクしないか?」
「いえ、別に」
「…即答か…」
眞清の即答っぷりに克己が思わずツッコミをかます。
もう一度背伸びをして、空へと手を伸ばした。
春の陽射しを受けて、克己は気持ち良さそうに目を細める。
そんな克己の様子を見て、眞清は密かに唇に笑みを刻んだ。