「おっはよー!」
声に、ヨウは目を開いた。
声は聞こえていたし、一度目も開けたのだが…目を閉じる。
「? ヨウ?」
「んあ…」
ヨウは元気な声…リクに半分寝惚けたまま応じた。
リクは朝から元気だなぁ、と心底感心する。
再び目を開けると、視界にリクが映った。
「今日もいい天気だよ」
ヨウの視線に気付いたのか、リクが満面の笑みを浮かべる。
「――ああ…」
春の陽射しを受けた木漏れ日。
その木漏れ日を受けた、リク。
キラキラ、キラキラ…。
栗色の髪が透けるのも、琥珀色の瞳が輝くのも、陽射しが故なのだろう。
それでも…。
(きれいだ、な)
ヨウはぼんやりとそんなことを思った。